代襲相続とは?基礎知識と手続きの流れ
2025年03月4日
代襲相続とは?基礎知識と手続きの流れ
相続の中でも「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」という制度は、特に関心が高いテーマの一つです。今回は、代襲相続の基本的な仕組みや適用されるケース、手続きの流れについて解説します。
1. 代襲相続とは?
代襲相続とは、本来相続人となるべき人(被相続人の子や兄弟姉妹など)が、被相続人の死亡時点で既に亡くなっている場合に、その人の子が代わりに相続する制度です。
この制度は、民法887条2項および889条2項に定められています。
代襲相続が発生する主なケース
- 子が親より先に亡くなった場合
- 例えば、父親が亡くなった時点で長男がすでに死亡している場合、その長男の子(被相続人の孫)が代襲相続人となります。
- 兄弟姉妹が相続人となる場合
- 被相続人に子がいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。しかし、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子(被相続人の甥や姪)が代襲相続人になります。
代襲相続が認められないケース
- 代襲相続が適用されるのは「直系卑属(子や孫)」および「兄弟姉妹の子(甥・姪)」までであり、それ以降の親族には適用されません。
- 兄弟姉妹の子(甥・姪)が亡くなっている場合、その子(再代襲相続)は認められません。
2. 代襲相続の手続きの流れ
代襲相続が発生した場合、以下の手順で手続きを進めることになります。
① 相続人の確定
- 戸籍謄本の取得
- 被相続人と代襲相続人の関係を証明するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や、代襲相続人の戸籍謄本を取得します。
- 相続関係説明図の作成
- 相続人の範囲を明確にするために、家系図のような形式で相続関係説明図を作成します。
② 遺産分割協議
- 遺産分割協議書の作成
- 他の相続人と協議し、代襲相続人としての取り分を決めます。
- 遺言書がある場合はその内容に従い、ない場合は法定相続分に基づいて協議を進めます。
③ 相続登記の手続き
- 必要書類の準備
- 被相続人の戸籍謄本、代襲相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書などを用意します。
- 相続登記の申請
- 不動産の名義変更(相続登記)を法務局で行います。
④ その他の相続手続き
- 預貯金の名義変更
- 有価証券の相続
- 生命保険金の請求
3. 代襲相続をスムーズに進めるためのポイント
- 戸籍謄本を早めに取得する
- 代襲相続では、複数世代にわたる戸籍を取り寄せる必要があり、時間がかかることが多いため、早めの準備が重要です。
- 遺産分割協議を円滑に進める
- 代襲相続人が複数いる場合、話し合いが難航するケースもあるため、司法書士など専門家のサポートを受けるのが望ましいです。
- 相続登記を放置しない
- 相続登記を長期間放置すると、相続人が増えて手続きが複雑化する可能性があります。早めの申請を心がけましょう。
まとめ
代襲相続は、親が亡くなる前に子が亡くなっていた場合や、兄弟姉妹が相続人となる場合などに適用される制度です。適用範囲や手続きの流れを理解し、スムーズに手続きを進めることが大切です。
彦根市で相続に関するお悩みがある方は、司法書士法人 おうみアット法務事務所までお気軽にご相談ください。専門家が丁寧にサポートいたします。