滋賀で相続にお悩みの方へ!相続人に認知症の人がいたらどうする?
被相続人はご高齢な方が多いですが、そうなると相続人の方の中にもご高齢な方が多くなります。
このとき、相続人となる方に認知症の方がいらっしゃる場合があるでしょう。
こういった場合、通常と同じように遺産分割協議を進めるのは難しいです。
今回は、相続人の中に認知症の方がいる場合の相続について解説します。
□相続人が認知症である場合、無視して遺産分割できるのか?
原則としては、遺産分割協議というのは相続人全員で行わなければいけません。
この相続人の中に重度の認知症の方がいらっしゃる場合、その方に意見を述べてもらうのは厳しいこともあるでしょう。
しかし、例え認知症であっても、相続人全員で行った遺産分割協議で決まった遺産分割は無効となります。
認知症だからといって遺産分割協議に入れずに遺産分割を決定しても、その決定は法律上成立しません。
法律上では、遺産分割協議の合意など場合では意思能力を必要とされています。
重度の認知症の方の中には、そのような場合に必要な意思能力がないケースもあります。
この場合に遺産分割協議を進めるためには何かしらの法律的な対処が必要です。
□認知症の方がいる場合は成年後見制度を利用する
上記のケースのように、相続人の中に認知症の方がいらっしゃる場合に遺産分割協議を進めるにはどうしたら良いのでしょうか?
具体的な対処法として、成年後見制度を利用することが挙げられます。
成年後見制度とは、認知症の方や知的障害者の方といった意思能力が不十分な方を保護するための制度です。
相続の場合、認知症の方は遺産分割協議において意思能力が不十分であるため、成年後見人という第三者を代理人に定めて、後見人が本人に変わって財産管理します。
定められた成年後見人は、本人の財産管理全般に関して代理権をもち、本人が勝手にした行為についてその取消権も持つでしょう。
また、成年後見制度には二種類あり、一つが法定後見制度というものです
法定後見制度とは、意思能力が不十分な方を保護するために本人または親族が家庭裁判所に申し立てを行い、後見人を選任してもらう制度のことを指します。
もう一つが任意後見制度で、まだしっかりと自分が判断できるうちに、自分の判断能力が衰えてきたときに備えてあらかじめ任意後見人を誰にするか、将来の財産管理などについてその人に何を支援してもらうか決められる制度です。
こちらはあくまで意思能力がある状態で利用できる制度なので注意しましょう。
□まとめ
今回は、滋賀にお住みの方に相続人の中に認知症の方がいる場合について解説しました。
相続人の方に認知症の方がいらっしゃるケースは決して頻繁に起こるケースではありませんが、あらかじめ上記のような制度を知っておくと安心です。