滋賀の司法書士が解説!相続関係者が同時に死亡した場合の相続はどうなるの?
「相続関係者が同時に死亡した場合、相続はどのように行うのだろう?」
状況によっては複数の相続関係者が同時に亡くなることもあるかもしれません。
その際に気になるのは、相続の行い方ですよね。
そこで今回は、相続関係者が同時に死亡した場合の相続に関して滋賀の司法書士が解説します。
◻︎相続関係者が同時に死亡した場合の相続はどうなるの?
同時に2人の相続関係者が亡くなった場合、死亡の前後関係が重要です。
たとえば、不慮の事故などで親子の2人が亡くなった場合を考えてみましょう。
ここで、救急搬送時に親(A)が亡くなっていて、搬送先の病院で子ども(B)が亡くなった場合、前後関係が明らかですよね。
その場合には、まず親(A)の相続が行われた後に、子ども(B)の相続がなされます。
法定相続人における第一順位の対象者は、亡くなった方の配偶者(C)と子ども(B)です。
配偶者(C)が2分の1・子ども(B)が2分の1ずつで分割します。
その後、亡くなった子ども(B)の財産をさらに法律に則って分配するのです。
亡くなった子ども(B)に配偶者(D)や子ども(E)が存在すれば第一順位、いなければ先程登場した配偶者(C)が今度は親として相続します。
しかしながら、前後関係が明らかではないことも考えられるでしょう。
どちらが先に死亡したか定かではない場合は、同時に死亡したとみなされます。
そこで、亡くなった相続人は相続開始時には存在していないとみなされ、相続権を得られません。
今回の事例では、子ども(B)はそもそも存在していないと判断されます。
そのため、相続の権利が亡くなった方の配偶者(C)と親(F)の第2順位で分配されます。
分配額は、配偶者(C)が3分の2・親(F)が3分の1です。
2つの事例を比べると、対象者や分配額が変わっていることがおわかりでしょう。
前者は最終的に、配偶者Cが全額受け取っていますが、後者は親Fが関わっています。
死亡したタイミングによって、お金の動き方が大きく変わるのです。
◻︎夫婦が同時に死亡した場合の保険金の取り扱いについて
同時志望の場合に問題に挙げられるのが、生命保険の受け取りに関してです。
夫(A)が生命保険を契約していて、妻(C)が受取人である場合を考えてみましょう。
通常であれば、夫(A)が亡くなった時点で妻(C)が受け取りますが、同時に亡くなった場合は厄介です。
保険金受取人が保険事故の前に死亡したときは、その相続人の全員が受取人であると保険法では定められています。
これを踏まえると、同時に夫(A) 妻(C)が亡くなった場合には、妻(C)の相続人が保険を受け取るのです。
場合によっては全く関係のない相手に保険金がわたる可能性もある点は保険契約で知っておくと良いでしょう。
◻︎まとめ
今回は、相続関係者が同時に死亡した場合の相続に関して滋賀の司法書士が解説しました。
同時志望の場合には、相続時にいないものとして考えられる点を押さえておきましょう。
保険金の受け取りの規定についても注意が必要です。