相続に関連する成年後見制度ってどういう制度?滋賀の司法書士が解説!
「遺産相続の手続きを行いたいけど、故人の奥様が認知症で正しく判断できるか心配」
認知症の有病率が年々増加している現代において、こうしたお悩みをお持ちの方も多いですよね。
そんな方のために、成年後見制度という制度があるのをご存じですか。
今回は、滋賀の司法書士が成年後見制度について解説します。
□成年後見制度の役割とは
そもそも成年後見制度とは、認知症や植物状態の方など、自分の意思で正常に判断することが困難な方のための制度です。
こうした方の代わりに、第三者を後見人とすることで相続に関する判断をしてもらい、法的な手続きが行えます。
成年後見制度を利用すれば、相続時に起こる不当な価格での遺産の取引や交渉のトラブルを未然に防止できるでしょう。
信頼して大切な遺産の相続手続きを任せられるため、成年後見人の存在は、安心感を得ることにも繋がりますね。
□成年後見人制度を利用するには
成年後見人制度を利用するには、大きく分けて3つの段階を踏む必要があります。
*申し立てを行う
まず成年後見制度を利用するには、利用者本人の住所の管轄を行う家庭裁判所に対して、申し立てを行う必要があります。
申し立てには、必要な書類が多数あるため、あらかじめ余裕をもって準備しておくと良いですね。
さらに家庭裁判所から返事を受け取るには、返信にかかる切手代と収入印紙代800円の支払いが必要なことも知っておきましょう。
*面接と鑑定を行う
申し立てが確認された後は、家庭裁判所で面接を行います。
面接では、成年後見人制度に対する認識や利用を希望する経緯、家族関係など詳しく質問されます。
こうした質問内容は、親族内の関係性や後見人になり得る人物について調べ、検討する上で必要となるため、正確に答えられるようにしましょう。
申し立てで提出された書類と面接内容を踏まえても尚、判断が困難な場合は裁判所によって鑑定が行われることもあるというのも覚えておくと良いですね。
*審判を受ける
申し立てや面接を経て、最終的には裁判所から後見の開始の審判が下されます。
審判の内容は主に、成年後見制度を利用することの可否と、後見人となる人物の発表の2点です。
無事、制度の利用が認められたら、後見開始の登記が行われます。
はじめの申し立てから審判が出されるまで、おおよそ1カ月から2カ月の期間を想定しておくと良いでしょう。
□まとめ
今回は、相続に関する成年後見制度について解説しました。
後見についてお迷いの方は、ぜひ今回ご紹介した内容を踏まえて、成年後見制度の利用も検討してみてはいかがでしょうか。
相続に関してお悩み事がある場合は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。